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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻8号

1992年08月発行

臨床報告

ヒト白内障水晶体の培養と水晶体上皮細胞の後発白内障発症への関与

著者: 馬嶋清如1

所属機関: 1藤田保健衛生大学眼科

ページ範囲:P.1201 - P.1204

文献概要

 生後2か月,4か月,12か月の先天白内障の水晶体上皮細胞の増殖率を短期培養にて調査し,60歳から89歳までの老人性白内障の水晶体上皮細胞の増殖率と比較,検討した。その結果,培養後7日目から9日目,また9日目から12日目の期間で,老人性白内障の水晶体上皮細胞はほとんど増殖活性を示さなかったが,先天白内障の水晶体上皮細胞では7日目から9日目,また9日目から12日目の期間で全症例増殖活性を示し,とくに7日から9日では全症例,約2倍の増殖率を示した。先天白内障術後に,後発白内障が高頻度発症する原因として,先天白内障の水晶体上皮細胞の高い増殖活性が原因ではないかと,これまでの臨床経験から推測されていたが,今回の結果は,先天白内障の水晶体上皮細胞の高い増殖活性を明確にしたものであり,先天白内障術後の高頻度後発白内障発症の原因解明にとって意義ある基礎的知見と考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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