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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻8号

1992年08月発行

臨床報告

未熟児網膜症に対する光凝固治療後の屈折諸要素

著者: 竹内篤1 山岸直矢2 永田誠2

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2天理よろづ相談所病院眼科

ページ範囲:P.1229 - P.1234

文献概要

 光凝固治療後の瘢痕期未熟児網膜症の屈折諸要素について検討した。光凝固により瘢痕期2度中等度で治癒した症例(瘢痕期2度中等度PHC,以下同)および瘢痕期2度強度PHCでは瘢痕期1度PHCおよび2度弱度PHCに比して,また全周光凝固施行例は光凝固2/3周以内の例に比して,有意に前房深度が浅く,水晶体厚径が大きく,水晶体厚径眼軸長比が大きく,角膜屈折力が大きいという結果を得た。2度中等度および強度PHCや全周光凝固例では近視,乱視が強くなり,近視の原因としては水晶体厚径の増加が,乱視の原因としては眼球の成長にともなう角膜乱視が重要視された。全周光凝固例の在胎週数は2/3周以内の光凝固例に比して有意に小さく,このような眼球の未熟性が屈折諸要素に影響している可能性もあり,光凝固自体の屈折諸要素に及ぼす影響については今回の結果だけでは判断できない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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