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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床報告

初期増殖糖尿病網膜症眼での後部硝子体剥離

著者: 広川博之1 秋葉純1 太田勲男1 吉田晃敏1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1363 - P.1366

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 増殖糖尿病網膜症眼(PDR)と診断された症例で,硝子体出血や牽引性網膜剥離のない46例51眼の硝子体を細隙灯顕微鏡で観察し,後部硝子体剥離(PVD)の起始部位と耳側網膜血管アーケード内のPVDの有無につき検討した。
 後部硝子体剥離は59%(30/51眼)であった。PVDが生じていた例のうち後極部にのみ限局したPVD (局所PVD)は40%(12/30眼)であった。これらPVD眼のすべてに後部硝子体膜による新生血管への牽引があった。耳側網膜血管アーケード内にPVDが生じていた頻度は53%(16/30眼)であった。
 以上より,PDRでPVDは新生血管近傍より生じ,新生血管から遠方へ広がると推測された。また,耳側網膜血管アーケード内のPVDはまれでないと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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