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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻9号

1992年09月発行

文献概要

文庫の窓から

点眼瓶の今昔(その1)

著者: 中泉行信 中泉行史 齋藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1386 - P.1387

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 わが国では昔から点眼瓶の代用として蛤の殼がよく用いられたらしい(武藤敏春氏),といわれるが,点眼の用具として点眼瓶が考案され,幾度か改良が加えられて今日のような点眼瓶が作られるようになった。今日そのすべての実物に接することは不可能なので,誌上に掲載された広告等により,投薬用点眼瓶の種類などを挙げてみようと思う。
 辞書によると,点眼とは「眼に薬液を注ぎ入れること」であるが,そもそも点眼はどのように行われてきたのだろうか。小川劍三狼(1871〜1933)氏は『稿本日本眼科小史』(1904年刊)の中に,「点眼スルニハ如何ニセルカ詳ナラサルモ,恐ラクハ木或ハ金属ヨリ作レル棒ヲ用ヰタルナラン」と述べられている。江戸時代の占い眼科書(『眼科指南』)の中にも,底瘴(ソコヒ)の療治に「生脳2分,石膏2分,麝香1分,辰砂少,右ヲ細抹シテ目棒ニテサスベシ』と記されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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