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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻1号

1993年01月発行

文献概要

臨床報告

後房レンズのループ偏位により生じた角膜内皮障害の1例

著者: 斉之平真弓1 吉田弘俊2 細谷比左志3 大橋裕一3

所属機関: 1名古屋市眼科杉田病院 2神戸市吉田眼科 3大阪大学眼科学教室

ページ範囲:P.23 - P.26

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 嚢外水晶体摘出眼に対する後房レンズの二次挿入術後に,後房レンズのループが周辺虹彩切除孔から脱出し,機械的接触による角膜内皮障害をきたした55歳男性の1例を経験した。眼内レンズ自体は偏位,傾斜しており,下方ループは後嚢破損部から硝子体側に落下していると推測された。外科的に眼内レンズの位置を矯正すると,角膜浮腫は改善したが,後に著明な内皮細胞の拡大を残した。周辺虹彩切除術を伴った無水晶体眼に後房レンズの二次挿入術を施行する場合,とくに後嚢破損を伴っている症例では,破損部位と虹彩切除部位を考慮したうえで眼内レンズの長軸方向を決定する必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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