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臨床報告
角膜水疱形成を生じる先天性表皮水疱症の1例
著者: 鈴木忠子1
所属機関: 1鈴木眼科
ページ範囲:P.65 - P.69
文献購入ページに移動 症例は16歳女性。学童期より年に数回以上角膜水疱形成を生じ,今回,表皮水疱症のうち接合部型軽症汎発性萎縮型と確定診断された。角膜の水疱形成部位は一定しないものの,主として中央部に多く,角膜表層で,角膜全体の1/3〜2/3の範囲に生じた。通常は対症療法により,約1週間で完全に消失していた。高校入学時より水疱形成時に治療用ソフトコンタクトレンズと,フィブロネクチン点眼を行い,水疱形成の頻度は減少している。同胞症例の兄は今まで数回の角膜びらん形成のみであった。接合部型軽症汎発性萎縮型において,角膜びらんを伴う症例は,数例の報告があるが,本症例のごとく角膜水疱形成を生じた症例は検索した範囲ではなかった。
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