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臨床報告
眼底白点症が疑われた同胞例
著者: 成田和子1 前田修司1
所属機関: 1弘前大学眼科
ページ範囲:P.70 - P.74
文献購入ページに移動 眼底白点症が疑われた同胞例につき報告した。症例1は13歳女児。夜盲の自覚はなく,偶然眼底検査にて白点を指摘された。視力,視野,色覚は正常で,暗順応は著明に障害されていたものの長時間の施行で最終的にほぼ正常の光覚を得,暗順応前後のERGで回復現象をみたことから本症と考えられた。眼底には黄斑周囲5〜15°に境界鮮明な黄白色の白点,これより周辺の暗橙色の白点,また中心窩にも白点がみられ,計3種類の白点が認められた。黄白色の白点については網膜血管より上にあるものと下にあるものとが確認された。一方螢光眼底造影ではいずれの白点とも一致しない点状の低螢光と過螢光が散在し,広範な網膜色素上皮障害の存在が示唆された。以上より,本症例1では網膜表層と網膜色素上皮層にそれぞれ独立した病巣があると考えられた。症例2は11歳女児,症例1の妹。眼底には姉と類似の白点が認められ,同様の暗順応曲線ERG波形を示し,本症と考えられた。
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