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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻1号

1993年01月発行

文献概要

臨床報告

網膜光凝固治療を行ったAIDSによるサイトメガロウイルス網膜炎の1例

著者: 秋澤尉子1 高原真理子1 松原明子1 相楽裕子2 新田義明2 高橋学3

所属機関: 1東京都立豊島病院眼科 2東京都立豊島病院感染症科 3東京都立豊島病院検査科病理

ページ範囲:P.76 - P.80

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 不明熱をacyclovirにて加療中のAIDS患者が,左眼にサイトメガロウイルス網膜炎を発症した。投与中のacyclovirとazidothymidineを継続したうえ,汎網膜光凝固術を施行した。左眼の網膜炎は増悪し3か月後に失明したが,網膜剥離の発症はなかった。さらに2か月後には右眼にも網膜炎を発症し,その3週間後に死亡した。サイトメガロウイルス網膜炎では末期には網膜剥離が起こるといわれているが,本例ではganciclovir投与をうけなかったにもかかわらず,網膜剥離の発症はなかった。汎網膜光凝固術と発症前より投与されていたazidothymidineとacyclovirが効果的だった可能性が考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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