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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻1号

1993年01月発行

文献概要

臨床報告

眼窩と副鼻腔に浸潤した巨大な眼瞼基底細胞癌の1例

著者: 小田仁1 中村裕1 木村肇二郎1 小川郁2 中嶋英雄3 神園純一4

所属機関: 1慶應義塾大学眼科 2慶應義塾大学耳鼻咽喉科 3慶應義塾大学形成外科 4国家公務員等共済組合連合会立川病院眼科

ページ範囲:P.103 - P.106

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 眼窩と副鼻腔に浸潤した,眼瞼原発の基底細胞癌の1症例を報告した。症例は70歳の男性で,左下眼瞼に腫瘤が出現してから5年後に当科を初診した。初診時,左下眼瞼から眼球周囲にかけて潰瘍・壊死を伴った腫瘍を認め,生検にて基底細胞癌と診断された。CTスキャン・MRIにて前篩骨洞と上顎洞にまで浸潤がみられたため,拡大腫瘍根治切除術および遊離腹直筋皮弁による再建術を行った。
 比較的悪性度の低い眼瞼の基底細胞癌でも,本症例のように放置すれば眼球摘出術も必要となる場合があり,悪性腫瘍が疑われた場合はただちに生検または切除を行い,病理組織学的検査を施行することが重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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