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特集 白内障手術 Controversy '93 白内障をめぐる22のControversy
切開法/二面切開法と一面切開法—「君臨すれど統治せず」
著者: 田中俊一1 清水公也1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科
ページ範囲:P.74 - P.75
文献購入ページに移動従来,白内障手術は輪部強角膜切開を行い,強めに縫合し,2D〜3Dの切開方向へのスティープ化をめざす方法が主流であった。この方法を仮に「締めつけ法」とする。この方法は創口を上方にとった場合,術直後に直乱視が生じるが,ばらつきが大きかった。また,術後3か月程度は術後乱視が減じていく過程が必要であった。これに対して,数年前より水平縫合法,無縫合法が登場した。従来の締めつけ法と異なる点は,縫合はないか,ゆるめとし,切開方向への強いスティープ化を生じさせないことである。この方法を仮に「非締めつけ法」とする。この方法では術直後から切開方向への弱いフラット化が生じるが,その程度は1D未満であり,ばらつきも小さい。
筆者らは非締めつけ法を角膜小切開手術に応用し,3.5〜4.Ommの創口で良好な結果を得ている。すなわち,角膜切開を行い,11-0ナイロンを通常の垂直縫合で1針おく方法である。その利点としては,
1)創口の面積が小さく侵襲が少ない
2)濾過手術術後など適応が広い
3)術中の操作が容易
などである。筆者らは切開方向を常に強主経線方向で行い,術前乱視の軽減に成功している。
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