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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻11号

1993年10月発行

文献概要

Ojo

インフオームド・コンセント

著者: 江口秀一郎1

所属機関: 1東京大学医学部眼科

ページ範囲:P.184 - P.185

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 インフォームド・コンセント(informedconsent)は,わが国においては1990年に公表された日本医師会生命倫理懇談会の報告書1)に準拠し,「説明と同意」という日本語に置き換えられている。この日本語の意味する概念は,患者が医療行為を受けるに当たり,医師から必要にして十分な説明を受け,それに基づいてどの診療行為を受けたいのかという患者自身の自己決定権が尊重されるということである。
 本制度が欧米にて定着するようになったきっかけは,第二次世界大戦後ナチスを裁いたニュルンベルグ裁判である。ナチスの行った反倫理的な医学研究,人体実験に対する訴追,審理,判決の過程にて,ニュルンベルグ綱領と呼ばれている10項目が提示されたことに始まる2,4)。このニュルンベルグ裁判綱領の各国医師に与えた影響は大きく,1948年,世界医師会はジュネーブ宣言を決議,翌49年には医学倫理の国際綱領を採択し,1964年にはヘルシンキ宣言を行った。このヘルシンキ宣言は,医学の進歩のためには人体実験が不可欠であることを明白に認めた上で,被検者個人の権利を守るための具体的な手続きを明らかにしたもので,国際的にも高く評価され,インフォームド・コンセントの原点ともなっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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