icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻11号

1993年10月発行

文献概要

昨日の患者

手術室で恐い思いをした話

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.190 - P.190

文献購入ページに移動
 最近手術室で起こった全身的なトラブルで,恐い思いをした症例をいくつかご紹介します。
 〔その1〕 70歳の女性で老人性白内障の症例です。狭心症の既往がありましたが,最近はおちついていたため手術を予定しました。しかし手術を始めてまもなく胸痛を訴えはじめたのです。強膜半層切開を行ったところで,いったん手術をやめて酸素を吸入させましたが,胸痛は強くなるばかりです。そこで手術の中止を決定,ただちに内科に連絡をする事態となりました。この例は典型的な狭心症発作で,内科でのコントロールの後あらためて手術を行い無事終了することができました。あとで考えてみますと,あの時点で手術を中止したのは正解だったと思います。狭心症のこともさることながら,無理をしてPhacoの段階まで進めていたら,あとの処理に苦労したことでしょう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?