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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻12号

1993年11月発行

臨床報告

アルドースリダクターゼ阻害薬点眼の前房蛋白濃度に対する効果

著者: 加藤聡1 大鹿哲郎2 船津英陽3 山下英俊4 澤充5

所属機関: 1東京逓信病院眼科 2東京厚生年金病院眼科 3東京女子医科大学糖尿病センター眼科 4東京大学医学部眼科学教室 5日本大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1843 - P.1847

文献概要

 糖尿病患者の前房蛋白濃度に対するアルドースリダクターゼ阻害薬(以下ARI)点眼液の効果を検討した。糖尿病患者37例74眼をARI点眼群とプラセボ点眼群とに無作意に分け,3か月間1日4回点眼し,フレアー・セルメーターで経時的に測定した。糖尿病網膜症のない群(第1群),福田分類AI期(第2群),AII期以上およびB期(第3群)に分け,分散分析(analysis ofvariance,以下ANOVA)ならびに群間のt—検定を行うと,第2群においてARI点眼薬の前房蛋白濃度抑制効果がみられた(ANOVA, p<0.05)。全例での解析,ならびに第1・3群での解析では,ANOVAによるARI点眼薬の効果はみられなかったが,第3群のARI群の前房蛋白濃度は,4週以降でプラセボ群より低い値となった(p<0.01)。ARI点眼薬は,糖尿病による初期の血液房水柵障害に有効であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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