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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻12号

1993年11月発行

文献概要

臨床報告

中心性漿液性網脈絡膜症を併発した真性小眼球の1例

著者: 新城光宏1 中津彩子2 和田優子2 近藤武久2

所属機関: 1沖縄県立那覇病院眼科 2神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.1861 - P.1865

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 高度遠視をともなう27歳の真性小眼球の男性の片眼に,後極部網膜に限局した漿液性網膜剥離をみた。螢光眼底造影所見およびレーザー網膜凝固術に対する良好な反応から,本症例では中心性漿液性網脈絡膜症と同一の病態が存在したものと考えられたが,単に中心性漿液性網脈絡膜症と考えるには視力低下が顕著であった。
 両眼の後極部網膜皺襞や周辺部網膜血管の拡張蛇行がみられたほか,広範な網膜浮腫が存在したことから,本症例ではuveal effusionを伴う真性小眼球の症例と同様,肥厚した強膜内で渦静脈が圧迫されることによる脈絡膜血管の循環障害,あるいは肥厚した強膜による脈絡膜血管外液の眼外への流出経路の障害が潜在し,これを背景とする網膜色素上皮のなんらかの機能障害をきたしている可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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