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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻13号

1993年12月発行

文献概要

臨床報告

高度の高血圧性網膜症を呈し視神経萎縮をきたしたクッシング症候群の1例

著者: 中村邦彦1 真島行彦1 宮川治美2 岡田浩一3 鈴木洋通3 猿田享男3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室 3慶應義塾大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.1917 - P.1920

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 クッシング症候群により高度の高血圧性網膜症をきたした稀な1例を経験した。症例は両眼の視力低下を主訴として来院した37歳の女性で,肥満傾向,満月様顔貌,男性型発毛を認め,血圧250/140mmHgであった。視力は両眼とも0.01(矯正不能),眼底所見は両眼とも網膜細動脈の狭細化が著明であり,視神経乳頭の浮腫,広範囲の滲出斑,黄斑部星状斑が認められた。精査で副腎皮質腺腫によるクッシング症候群と診断され,降圧療法と腫瘍摘出術が施行された。治療による血圧の下降とともに滲出斑の減少,軽度の視力改善が見られたが,視神経萎縮のため視力は両眼0.1にとどまった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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