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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻13号

1993年12月発行

文献概要

臨床報告

超音波カラードプラ法を用いた眼窩内血管の血流速度測定と測定信頼度

著者: 張野正誉1 二宮欣彦2 小川憲治2 岡本仁史3 尾崎俊也4 村上珠美4

所属機関: 1淀川キリスト教病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室 3大阪厚生年金病院眼科 4幸循会OBPクリニック

ページ範囲:P.1929 - P.1933

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 超音波カラードプラ法を用いて,眼窩内血管をモニターしながら血流速度を測定した。プロープには7.5MHzの表在血管用プローブを用いた。対象は健康成人21人(年齢19〜41歳,平均28.9±5.9歳)で,これまでの連続波ドプラ法を別の8名に行い比較検討も行った。流速の絶対値は,網膜中心動脈,中心静脈,眼動脈の近位部および遠位部では,それぞれ0.08±0.02,0.04±0.01,0.31±0.10,0.31±0.09m/sで,左右差はなかった。また,眼動脈近位部および遠位部について差はなかった。測定信頼度を,10名について3〜5回測定したところ,それぞれ最大血流速度の平均変動係数は7.8,10.0,8.8,7.9%であった。またその10名で日を変えて再測定を行ったが,日差にも有意な差はなかった。従来の連続波ドプラ法で用いられた収縮期最大流速と拡張期の最低流速の比の信頼度は,カラードプラと同程度であった。しかし,カラードプラ法は測定部位が設定でき,絶対流速が得られて,より詳細な評価ができること,網膜中心動・静脈の測定も可能で,優れた検査法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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