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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻13号

1993年12月発行

臨床報告

経強膜的腫瘍切除術を行った脈絡膜悪性黒色腫の1例

著者: 上田竹人1 千原悦夫1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1967 - P.1971

文献概要

 眼球摘出術を拒絶した左眼脈絡膜悪性黒色腫患者に対し,経強膜的腫瘍切除摘出術(eyewall resection)を施行し,視機能の保存に成功した本邦第2例目の症例について報告した。症例は,左眼の下方視野狭窄を主訴に来院した55歳の女性で,初診時の視力はR.V.=0.4(0.7),L.V.=0.05(0.6)であった。左眼眼底上耳側,赤道部に1象限に及ぶ,色素沈着を伴う半球状の隆起性病変を認め,大きさは超音波検査にて,径10.8mm×12.4mmにおよんだ。手術は,ジアテルミー凝固術にて腫瘍周囲をマーク後,強膜を半層切開,残存側の強膜と腫瘍をen blocに切除し,切除標本の病理組織像は,mixed cell typeの悪性黒色腫であった。術後の出血とPVRに対して硝子体手術が有効であり,網膜を復位し得た。術後144日の同眼の矯正視力は0.05p,眼圧は6mmHgであり,遠隔転移は見いだされていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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