文献詳細
臨床報告
文献概要
麻酔による患者への侵襲を最小限にする目的で,1990年4月より点眼およびテノン嚢内麻酔のみによる白内障眼内レンズ手術を導入し,現在までに1,800件以上の症例を経験した。2%リドカイン約1mlを1時の位置のテノン嚢内に注入するのみであり,眼球運動は抑制されないが,麻酔による疼痛が少なく血圧の上昇や不整脈の出現などがないこと,麻酔による合併症がなく重篤な術中合併症もないこと,少量の投与で確実な鎮痛効果が得られること,60分以上の効果があり初心者の手術にも利用できることなどから,テノン嚢内麻酔は従来の球後麻酔に代わる有用な麻酔法と思われる。
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