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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻2号

1993年02月発行

文献概要

臨床報告

切迫早産治療中に硝子体出血と網脈絡膜出血が生じた1例

著者: 高原真理子1 松原明子1 芝田理絵1 秋澤尉子1 川田晃2 和田順子2

所属機関: 1東京都立豊島病院眼科 2東京都立豊島病院産婦人科

ページ範囲:P.191 - P.194

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 妊娠中毒症の既往がなく,双胎妊娠の切迫早産治療中に眼底出血をきたした症例を報告した。症例は,25歳で,双胎妊娠30週2日,子宮収縮抑制のためにβ2-stimulantである塩酸リトドリン(ウテメリン®)の内服投与を15〜20mg/日で開始した。16日目,腹緊増強したため内服から点滴静注48mg/日に切り換えたところ,まもなく右眼に硝子体出血,網膜出血,脈絡膜出血をきたした。螢光眼底検査では,網膜血管系には異常はみられなかった。塩酸リトドリンの投与は,低血圧,頻脈,心拍出量の増加,総頸動脈血流量の増加,血漿量の増加作用があり,本症例では血小板数の軽度減少がみられた。これらが誘因となって眼底に破綻性の出血を起こしたと思われた。文献上β2-stimulantによる眼合併症の報告はなく,珍しい症例と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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