文献詳細
臨床報告
文献概要
サルコイドーシスによる片眼性視神経乳頭肉芽腫の2例を経験した。症例1は17歳の女性で,左眼乳頭部に網膜浮腫を伴った肉芽腫様腫瘤がみられた。経気管支肺生検で非乾酪性肉芽腫があり,サルコイドーシスと診断された。症例2は65歳の男性で,右眼乳頭部に網膜出血を伴った肉芽腫様腫瘤がみられた。初期には全身的にサルコイドーシスの所見はなかったが,初診6か月後に血清アンジオテンシン変換酵素が異常高値を示し,経気管支肺胞洗浄でリンパ球増多がみられ,サルコイドーシスと診断された。2例とも副腎皮質ステロイド剤の全身投与が有効であった。乳頭部の原因不明の肉芽腫様病変ではサルコイドーシスを疑い,全身検索を繰り返す必要がある。
掲載誌情報