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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻2号

1993年02月発行

文献概要

臨床報告

サルコイドーシスによる視神経乳頭肉芽腫の2例

著者: 玉井一司1 白井正一郎1 馬嶋昭生1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.199 - P.203

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 サルコイドーシスによる片眼性視神経乳頭肉芽腫の2例を経験した。症例1は17歳の女性で,左眼乳頭部に網膜浮腫を伴った肉芽腫様腫瘤がみられた。経気管支肺生検で非乾酪性肉芽腫があり,サルコイドーシスと診断された。症例2は65歳の男性で,右眼乳頭部に網膜出血を伴った肉芽腫様腫瘤がみられた。初期には全身的にサルコイドーシスの所見はなかったが,初診6か月後に血清アンジオテンシン変換酵素が異常高値を示し,経気管支肺胞洗浄でリンパ球増多がみられ,サルコイドーシスと診断された。2例とも副腎皮質ステロイド剤の全身投与が有効であった。乳頭部の原因不明の肉芽腫様病変ではサルコイドーシスを疑い,全身検索を繰り返す必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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