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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻2号

1993年02月発行

臨床報告

小脳性運動失調に伴う錐体杆体ジストロフィの2症例

著者: 糸井素純1 早川むつ子1 佐久間仁1 簗島謙次2 近藤智善3 杉田之宏3 西克典3 金井淳1

所属機関: 1順天堂大学眼科学教室 2国立リハビリテーションセンター眼科 3順天堂大学脳神経内科学教室

ページ範囲:P.225 - P.230

文献概要

 脊髄小脳変性症に視力障害を伴う2症例について電気生理学的検査,心理物理学的検査を中心に検討し,錐体杆体ジストロフィと考えられた。症例1は脳神経内科でオリーブ・橋・小脳萎縮症と診断され,視力障害があった。症例2は先に眼科で錐体杆体ジストロフィと診断し,構音障害のために脳神経内科的検査を進め,脊髄小脳変性症と診断された。眼底所見は,症例1では乳頭耳側の軽度蒼白化と網膜動脈の軽度狭細化のみがあり,症例2では白点を伴う黄斑部円形萎縮巣と中間周辺部に白点を伴う顆粒状びまん性の淡い色素沈着があった。錐体杆体ジストロフィの眼底所見の多様性が示唆された。従来,変性性神経疾患に合併し,無色素性や分類不能または非定型的網膜色素変性症とされていたなかに,錐体杆体ジストロフィが含まれていた可能性が考えられる。また,錐体杆体ジストロフィのなかには,このような神経学的異常の合併例があることを念頭におく必要性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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