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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻3号

1993年03月発行

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(1) 1992.11.6-8 東京

学会原著

眼科から脳外科へ紹介した患者の統計的検討

著者: 藤田南都也12 井上治郎1 大平明彦2

所属機関: 1医療法人社団済安堂井上眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.317 - P.320

文献概要

 過去3年間に眼科単科病院から脳外科へ紹介した患者239例中178例を対象に検討した。
 脳外科への紹介理由は,視野異常,眼球運動障害,眼球突出などの順に多く,全体の病因発見率は178例中66例,37%であった。特に,眼球突出(87%),視野異常(37%),眼球運動障害(33%)の発見率が高く,その中でも内両耳側半盲,動眼神経麻痺の発見率が特に目立った。逆に,視力低下は5例すべてに脳外科的異常がみつからなかった。
 一方,発見された脳疾患としては,脳腫瘍,脳梗塞,脳動脈瘤などの順に多かった。また,数は少ないものの,両鼻側半盲や,一過性黒内障により内頸動脈の動脈硬化がみつかった例もあった。高率に脳疾患が発見されたことより,脳疾患が疑われたときに,われわれ眼科医が積極的に脳外科へ紹介する意義が十分あり,そうすべきであると改めて認識させられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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