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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻3号

1993年03月発行

文献概要

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(1) 1992.11.6-8 東京 学会原著

強度近視に合併する血管新生型黄斑部出血—予後不良因子の検討

著者: 大竹能輝1 伊藤睦子1 所敬1 岩渕美代子2 土岐達夫2

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室 2川口市民病院眼科

ページ範囲:P.345 - P.348

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 強度近視に合併する血管新生型黄斑出血の予後不良因子を検討した。本症50例55眼を年齢と後極部の強度近視性網脈絡膜萎縮の程度で4群に分類し,各群の屈折,眼軸長,活動期における最大の血管板の大きさ,病巣の大きさ,および1年以上の経過観察例の最終視力を調べた。
 萎縮軽度群では萎縮強度群に比し血管板と病巣が大きい症例が多かった(p<0.01)。萎縮軽度群でも若年者より老年者のほうが血管板と病巣が大きく,最終視力の低下する例が多かった。
 この結果から,新生血管の成長にはある程度健常な網膜神経上皮が必要と考えられた。高齢者では,それに加えて,加齢による色素上皮およびBruch膜の変化が加わり,重症化すると推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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