文献詳細
特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(1) 1992.11.6-8 東京
学会原著
文献概要
約24年前,美容目的で右眼上下眼瞼と左眼上眼瞼に液状シリコンを注入された71歳女性に発症した肉芽腫について報告した。眼瞼皮下に非常に固い腫瘤を形成し,瞼裂は狭く,開瞼も不十分であった。腫瘤摘出術を行った。組織病理学的には,よく発達した膠原線維のなかに泡沫を含む組織球が多数存在した。この部位に,分析電子顕微鏡にて,シリコンを検出した。電子顕微鏡的には組織中に多数の空胞が存在し,貪食されたシリコンと考えられた。また,眼輪筋は萎縮していた。本症例はシリコンによって発症した肉芽腫であると診断し,液状シリコンの直接注入は副作用を伴うため,推奨できない。
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