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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻3号

1993年03月発行

臨床報告

発症後3週間以上経過した網膜静脈閉塞症に対する組織プラスミノーゲンアクチベーターによる線溶療法

著者: 白方雅子1 小川憲治2 斉藤喜博2 張野正誉2

所属機関: 1大阪府立病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.521 - P.526

文献概要

 発症後3週間以上経過した網膜静脈閉塞症5例に組織プラスミノーゲンアクチベーター(tissue-type plasminogen activator:t-PA)を3日間で計2,000万国際単位投与した。投与終了直後の時点で視力改善が得られたのは3例で,投与前の螢光眼底造影で中心窩周囲毛細血管網の閉塞を認めた2例は視力不変であった。また,投与1か月後に2段階以上の視力改善を維持していたのは5例中1例のみであった。よって,発症後3週間以上経過した網膜静脈閉塞症に対するt-PAの有効性は低く,中心窩周囲毛細血管網の閉塞の有無がt-PAの効果に影響すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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