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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻3号

1993年03月発行

文献概要

臨床報告

乱視矯正眼内レンズの乱視矯正効果とレンズの軸偏位

著者: 三澤暁子1 鈴木葉子1 庄司信行1 清水公也1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科

ページ範囲:P.532 - P.536

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 術前倒乱視の白内障手術症例47例(72.6±9.4歳)に対して乱視矯正眼内レンズ(Cylinder IOL)挿入を行い,術後の乱視矯正を試みた。超音波水晶体乳化吸引術後,5.7mmの小切開創からCylinder IOLを挿入した。CylinderIOLは乱視矯正度数2Diopter (D)加入(26例)と3D加入(21例)の2種類を用いた。術後3か月目における全症例の矯正視力は平均0.93であった。乱視矯正効果は,IOLの回転による軸偏位30°未満の症例では2D群に比し3D群において大きく,3D加入がより効果的であった。IOL軸偏位に関しては,両群とも軸偏位30°で負の効果を生じ,30°以上の症例は不安定な乱視矯正効果を示したため,軸偏位の許容範囲としては±30°未満が望ましいと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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