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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・78

結膜異形成と上皮内癌

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.582 - P.583

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 結膜の異形成dysplasiaとは,結膜上皮細胞が局部的に異常増殖し,細胞の形態や配列が乱れ,極性が不明瞭になるなどの異型像を示すものをいう。この状態が上皮の全層に及んだものを上皮内癌carcinoma in situと呼ぶ。異形成と上皮内癌は一括して結膜上皮内新形成conjunctival intraepithelial neoplasia (CIN)とも呼ばれ,扁平上皮癌の前癌状態とされている。
 臨床的には,CINは中高齢者の角膜縁結膜,とくに瞼裂に一致した部位に隆起性の斑点として観察される(図1)。ときには角膜表面に及ぶ。外観はゼラチン様,あるいは乳頭腫様で,斑点の中に分岐し蛇行した多数の小血管がみられることがある(図2)。斑点に異角化dyskeratosisを伴う場合には,表面が白色に混濁するので,結膜の白斑leukoplakiaと呼ばれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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