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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(2) 1992.11.6-8 東京 学会原著

全層角膜移植の術前の母角膜の状態と術後成績との関係

著者: 清野雅子1 今泉利雄1 橋本貴美子1 後藤寿裕1 吉田憲史1 加藤千晶1 佐々木雄一1 横森浩道1 田澤豊

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.637 - P.640

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 全層角膜移植術の術前の母角膜の状態が手術予後に及ぼす影響について検討するため,1985年から1991年の間に当科で施行された全層角膜移植術症例のなかから,同一の提供者から得た2眼のうち1眼は周辺角膜の状態が良好な例(A群)に,他の1眼は角膜の状態が不良な例(B群)に移植された24組48眼を抽出して比較した。透明治癒率,視力改善率はA群がB群より有意に良好であり,拒絶反応の発生率はA群で有意に低かった。術後同時期に観察し得た角膜の内皮細胞数はB群で少ない傾向がみられた。ほぼ同一の状態と推定される同一提供者の角膜が移植された症例の間で術後成績を比較することによって,母角膜の状態が全層角膜移植術の予後に影響を及ぼすことが確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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