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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ挿入術後に発症した細菌性眼内炎6例

著者: 高田美貴子1 宮田和典1 松元俊1 松田延身2 玉置泰裕3

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院 2東京都立墨東病院 3東京大学眼科学教室

ページ範囲:P.851 - P.856

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 眼内レンズ(IOL)挿入術後の細菌性眼内炎6例の臨床経過を報告した。水晶体嚢外摘出術およびIOL挿入術術後の症例が5例,超音波水晶体吸引術術後の症例が1例であった。6例中起炎菌が検出されたのは2例で,そのうち1例の前房水からStaphylococcus epidermidisが,1例より硝子体切除術の硝子体サンプルから Sta—phylococcus aureusが培養された。発症時期が術後4日から7日で比較的急性の経過をとった3例のうち早期に硝子体切除術を行った2例は,視力予後良好であった。晩期に硝子体切除術を行った1例は視力予後不良であった。発症時期が術後10日から18日で比較的亜急性の経過をとった3例のうち弱毒菌が検出された症例では晩期に硝子体切除術を行ったが,視力予後良好であった。術後の炎症を無菌性眼内炎と考えステロイドを投与した症例では,視力予後が不良であった。IOL挿入術後の眼内炎では,臨床症状に加え発症時期をも考慮し,治療方針を選択すべきであると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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