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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻5号

1993年05月発行

文献概要

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京 学会原著

老人性円板状黄斑変性症の中心窩下脈絡膜新生血管に対するレーザー光凝固

著者: 竹内正光1 大熊紘1 高橋寛二1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.945 - P.948

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 中心窩を含んだ大きい脈絡膜新生血管をもつ老人性円板状黄斑変性症の治療は困難である。筆者らは,レーザー光凝固治療後に新生血管が拡大した例も含め,中心窩を含んで1乳頭径以上に大きく発育した新生血管をもつ老人性円板状黄斑変性症患者11例11眼を対象とし,主として色素レーザー黄色波長を用いて,中心小窩を除いた脈絡膜新生血管網全体に対して,比較的強いレーザー光凝固治療を行った。11眼中10眼が,光凝固後4か月以内に瘢痕化が得られ,眼底所見は改善した。視力が改善したのは1例のみであるが,視力が改善しなかった例でも,変視症の改善,自覚的中心暗点の縮小が得られ,良好な結果であった。病巣が中心窩を含んで大きく発育しても,中心小窩は残して病巣全体を強く光凝固すれば新生血管の消退,病巣の瘢痕化に有効であることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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