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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻5号

1993年05月発行

文献概要

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京 学会原著

白内障手術後メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)感染の1例

著者: 神原千浦1 清水由花1 茨木信博1 伊野田繁1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.949 - P.952

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 白内障手術後にメチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)による眼内炎症を起こした1症例を経験した。症例は89歳の女性で慢性涙嚢炎,糖尿病を合併していた。手術待機中に右眼に膨化白内障を認めたため,緊急に計画的嚢外摘出術と眼内レンズ移植術を行った。術後3日目に術創の角膜浸潤と前房蓄膿,豚脂様角膜裏面沈着物を伴う急性炎症を発症した。ただちに前房洗浄を行い,同時に採取した前房水を培養した結果,多剤耐性のMRSAが検出された。感受性のあるミノサイクリンの全身投与で炎症は改善した。この症例においてMRSAは,涙嚢から結膜を通じ,眼内感染を起こしたものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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