特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京
学会原著
euthyroid Graves' ophthalmopathyの診断におけるthyroid stimulating antibodyの有用性の検討
著者:
数尾久美子1
不二門尚2
大橋裕一3
柏井卓4
網野信行4
所属機関:
1大阪厚生年金病院眼科
2大阪大学医学部眼科学教室
3愛媛大学医学部眼科学教室
4大阪大学医学部臨床検査診断学教室
ページ範囲:P.979 - P.982
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euthyroid Graves' ophthalmopathy 9例および,ophthalmopathyを有するGraves' disease 13例に対してTSH receptor antibody(TRAb),thyroid stimulating antibody(TSAb)の2つのTSHレセプター抗体活性を測定し,euthyroid Graves' ophthalmopathyの診断に対するこれらの抗体活性測定の有用性について検討した。euthyroid Graves' ophthalmopathy 9例中,TRAbは2例のみ陽性でTSAbは全例陽性であった。Graves' disease 13例ではTRAbは11例で,TSAbは全例陽性であった。より高感度な検査であるTSAbの活性測定は,これまで確定診断が困難であったeuthyroid Graves' ophthalmopathyの診断の一助となるものと考えられる。