文献詳細
特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京
学会原著
文献概要
等尺性収縮記録法を用いてin vitroで老人の毛様体筋の機能を測定した。87歳女性で,両眼IOL移植術後2年の眼球から角膜移植術のため角膜を摘出した後,ただちに眼球をKrebs溶液に保存し,顕微鏡下で毛様体筋条片を作成し,その機械的性質を検討した。この毛様体筋はフィールド刺激によって収縮し,その収縮の大きさは刺激回数に応じて増大した。アトロピンはフィールド刺激による収縮反応を選択的に抑制した。外因性のカルバコールは濃度依存性にこの筋を収縮させたが,ノルアドレナリンはまったく影響がなかった。以上の結果より毛様体筋の機能は老人でも,またIOL挿入眼でも十分保たれていると考えられた。
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