文献詳細
特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京
学会原著
文献概要
緑内障疾患は早期に青錐体系の障害をきたすことが知られている。筆者らの開発した色光刺激瞳孔反応測定装置を用いて緑内障疾患を検討し,緑内障7例14眼および緑内障疑い例5例9眼において,縮瞳率の分光感度の短波長側への偏位を緑内障例に7眼(50%),疑い例に4眼(44%)認めた。これらは視野あるいはC/D比の程度とは相関がなく,Panel D−15の変化と相関がみられた。また,縮瞳率の低下をすべての波長域刺激で認めたのは緑内障例4眼(28.6%)疑い例1眼(11.1%)で,そのうち緑内障3眼は進行例であった。460nm刺激のみあるいは580nm刺激のみで縮瞳率低下を認めたのはそれぞれ緑内障例1眼ずつで,これらの結果が緑内障で出現する可能性が得られた。
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