文献詳細
特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京
学会原著
文献概要
眼・中枢神経系原発眼内悪性リンパ腫7例13眼を経験した。ステロイド抵抗性のぶどう膜炎として発症し,強い硝子体混濁,網膜下の滲出斑が特徴的であった。眼原発は5例で,3例は硝子体手術による生検にて,1例は脈絡膜生検にて診断された。他の1例は診断が遅れ,絶対緑内障で眼球摘出を行い診断が確定した。中枢神経系原発の2例は,脳神経外科で診断が確定した。4例に放射線療法を行い,3例は消炎したが,1例は軽快しなかった。眼原発の5例中3例が初診時から3年以内に頭蓋内あるいは全身性のリンパ腫を生じ,うち2例が死亡した。中枢神経系原発のうち1例も意識障害をきたしており,眼のぶどう膜炎は放射線治療で軽快したが,全身的には予後不良と思われた。
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