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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

糖尿病硝子体手術後の黄斑症の改善

著者: 池田恒彦1 瓶井資弘2 檀上真次1 田野保雄1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2国立大阪病院眼科

ページ範囲:P.1161 - P.1167

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 後部硝子体膜による網膜接線方向の牽引力が原因と考えられる両眼性の糖尿病性黄斑症に対して,片眼のみに硝子体手術を行い,術後の黄斑症改善の過程を非手術眼と比較した。1例は片眼に裂孔原性網膜剥離,他の例は片眼に硝子体出血をきたしたために硝子体手術を行った。術中所見では,黄斑部網膜に肥厚した後部硝子体膜が癒着しており,後極部から周辺部に向かって人工的後部硝子体剥離を作成した。手術眼では,術後黄斑浮腫および網膜下滲出物は徐々に減少し矯正視力は改善したが,非手術眼では黄斑症の改善がみられなかった。螢光眼底検査では,手術眼は非手術眼に比較して明らかな螢光漏出の減少をみた。後部硝子体膜による網膜接線方向の牽引が黄斑浮腫の原因と考えられる症例では,硝子体手術により黄斑直上の硝子体を除去することで黄斑症の改善する可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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