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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床報告

Inflammatory pigmented paravenous retinochoroidal atrophyの長期経過

著者: 山野辺聡1 山口克広1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1181 - P.1184

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 ぶどう膜炎とともに発症し色素性傍静脈網脈絡膜萎縮が進行し,inflammatory pigmented paravenous retinochoroidal atrophy (IPPRA)として報告した症例を,3年間経過観察し長期経過を検討した。眼底検査では,網膜静脈に沿う特微的な約1乳頭径の網膜色素上皮の変性萎縮が連続し進展していた。両眼とも変性部の色素沈着が増強,後極部の網膜色素上皮が粗糲化し,左黄斑部には色素上皮の増殖と考えられる所見があった。螢光眼底撮影では,ほぼすべての静脈に沿い約1乳頭径の幅で,網膜色素上皮の萎縮に起因すると考えられる過螢光像が示された。左眼では乳頭周囲および黄斑部を中心とした後極部に過螢光と低螢光がモザイク状に交錯する像が示された。3年の経過で視力,視野およびERGの検査所見はすべて悪化した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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