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臨床報告
線維柱帯切除術で眼圧を12mmHg以下に維持できる率
著者: 吉岡敦1 新家真1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院眼科
ページ範囲:P.1185 - P.1188
文献購入ページに移動 低眼圧緑内障の治療に指針を得る目的で,原発開放隅角緑内障における線維柱帯切除術で術後どの程度の低眼圧になるかをretrospectiveに検討した。開放隅角緑内障眼に対する第1回目の線維柱帯切除術では,5-fluorouracil (5-FU)を術後使用した場合,眼圧が12mmHg以下にコントロールされる率は,5年で49.5±7.8%(SE)であった。しかし同10mmHg以下にコントロールされる率は1年でOであり,長期眼圧調整の実際上の下眼は11mmHgと考えられた。低眼圧緑内障眼では眼圧下降薬点眼歴がより短く,結膜の変化がより軽度であると推測されるので,開放隅角緑内障眼に比べて,少なくとも同等かそれ以上の眼圧コントロール率が得られると考えられた。
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