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臨床報告
文献概要
裂孔原性網膜剥離に対し手術を施行した213眼について,網膜下液吸収に要した期間と吸収遅延の原因について検討した。213眼中23眼(10.8%)において,手術後網膜下液がすべて吸収されるのに4週間以上を要した。網膜下液吸収遅延には,術前の網膜下沈着物と色素の有無,手術時網膜下液排出が完全に行えたか否かが関係しており,裂孔の種類,デマルケーションラインの有無,手術回数に関係はなかった。また,年齢,屈折度,水晶体の有無,網膜剥離の範囲にも関係はなかった。網膜下沈着物の有無は網膜下液吸収に大きな関係があり,術式の選択や再手術施行の決定のさいに参考とする要因の1つであると考えた。
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