臨床眼科47巻6号

1993年06月発行

ミニシンポジウム ぶどう膜炎の疫学

1　北海道大学眼科におけるぶどう膜炎患者の統計的観察

著者： 古館直樹¹ 小竹聡¹ 笹本洋一¹ 市石昭¹ 吉川浩二¹ 岡本珠美¹ 松田英彦¹

所属機関： ¹北海道大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.1237 - P.1241

文献概要

　1981年と1991年の各1年間に北大眼科を受診した内因性ぶどう膜炎患者について調査・比較した結果，性比には変化がなく，年齢の高齢化傾向がみられた。また，疾患別で上位3疾患の順位は変わらず，多い方からベーチェット病，サルコイドーシス，原田病の順であった。少数疾患の中には1981年にはみられなかった新しい疾患が含まれ，分類不能の占める割合はやや減少していた。新患のみの比較では，ベーチェット病患者は減少傾向がみられ，逆にサルコイドーシス患者は増加していた。これは，1987〜91年の5年間の新患について調査した結果でも明らかであった。