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臨床報告
局所麻酔下眼科手術におけるアトロピン前処置の適否
著者: 安間哲史1 安野雅恵1 安間正子1 安間文彦2
所属機関: 1安間眼科 2名古屋大学医学部第1内科
ページ範囲:P.1303 - P.1310
文献購入ページに移動アトロピン使用群では,局所麻酔後に平均脈拍数が25%以上増加した症例が多くみられ,その傾向は70歳以上の高齢者において顕著であった。一方,非使用群では手術後に平均脈拍数が10%以上減少する症例が多くみられた。しかしながら,いずれの群においても,眼心臓反射に由来すると考えられる手術中に突然発生する徐脈はみられなかった。上室性期外収縮は手術過程にはほとんど影響されなかった。一方,心室性期外収縮は,非使用群では前投薬後に一過性に増加し,その後は減少する傾向がみられたが,アトロピン使用群では心室性期外収縮が持続して増加する傾向がみられた。最後に,アトロピンにより誘発された狭心症発作例を供覧した。アトロピンは,ことに高齢者においては循環動態に対する影響が強いため,局所麻酔下眼科手術にルーチンに使用する必要はないものと考えた。
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