文献詳細
臨床報告
文献概要
56歳男性にみられた外傷性毛様体解離による低眼圧黄斑症の1例を経験した。受傷後,約12週間で低眼圧黄斑症をきたした。約30°の毛様体解離を認め,保存的に経過をみたが,視力低下をきたした発症後4か月めにレーザー光凝固術を2度行った。処置後眼圧は上昇したが,数日で低眼圧となったためジアテルミー凝固術と毛様体解離部直接縫合術を併用して行った。翌日から眼圧は正常化し前房は深くなったが,新たに約30°の毛様体解離を発見した。3か月間経過を観察したが視力低下が進行したため,再度新たな毛様体解離に対して同様の手術を行い,低眼圧黄斑症は軽快した。低眼圧黄斑症の治療は,毛様体解離を完全に閉塞することが大切であると考えられた。
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