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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床報告

上斜筋麻痺と他眼の下斜筋麻痺を同時に示した2症例

著者: 橋本雅人1 木井利明1 前川浩1 梅本亨1 大庭正裕1 中川喬1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1469 - P.1472

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 先天性上斜筋麻痺と他眼の下斜筋麻痺を同時に示した2症例を経験した。2症例とも9方向眼位検査で外回旋偏位と内回旋偏位の共存を認め,上斜筋麻痺と他眼の下斜筋麻痺の複合麻痺と診断した。責任病巣としては滑車神経核と動眼神経核の下斜筋亜核を含む位置(中脳水道を囲む中心灰白質の腹側)が示唆され,胎生期に核性レベルでなんらかの異常が起こり,このような複合麻痺が生じたものと考えた。先天性上斜筋単独麻痺では責任病巣を特定するのはほとんど不可能であるが,今回の2症例では他眼の下斜筋麻痺が合併したため,核性レベルでの異常が示唆された。今回の2症例は,原因不明の先天性上斜筋麻痺を考えるうえで,核性レベルでの異常を示唆する貴重な手がかりとなる症例と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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