文献詳細
臨床報告
文献概要
73歳の高齢で眼症状が初発したベーチェット病患者を経験した。眼症状は片眼の虹彩炎で,眼底には変化を見なかった。患者は70歳で口内アフタと結節性紅斑を発症し,後に陰部潰瘍が発生した。眼科初診時にはこれらの全身症状は軽快していた。患眼は老人性白内障の術後で眼内レンズ挿入眼であり,しかも手術に用いられた強角膜創の縫合糸が球結膜から露出していたとの前医の紹介から,虹彩炎の原因として感染が疑われ確定診断に手間取った。ベーチェット病の高齢者の発病は少ないので筆者らの経験を紹介した。
掲載誌情報