文献詳細
臨床報告
文献概要
精神分裂病の男性に見られた太陽性網膜炎を報告した。症例は42歳男性で,精神分裂病にて11年間にわたり投薬治療中であった。1991年12月中旬,正午から2時間太陽を凝視していたところ,両眼に中心暗点と視力低下が出現した。
太陽性網膜炎は,日食を不十分な防護手段で観察して発生することが多い。日食以外の条件下で発生する太陽性網膜炎の報告は少なく,精神病により太陽を凝視して発生したものは稀である。この症例は,5か月経過した時点でも視力は両眼とも0.2と低下したままであり,眼底所見では中心窩に1/10乳頭径程度の黄斑円孔様の病変部が存在しており,その周囲には,網膜の浮腫・色調の変化は見られなかった。以上の所見より,太陽性網膜炎のなかでも重篤で不可逆な症例である。
太陽性網膜炎は,日食を不十分な防護手段で観察して発生することが多い。日食以外の条件下で発生する太陽性網膜炎の報告は少なく,精神病により太陽を凝視して発生したものは稀である。この症例は,5か月経過した時点でも視力は両眼とも0.2と低下したままであり,眼底所見では中心窩に1/10乳頭径程度の黄斑円孔様の病変部が存在しており,その周囲には,網膜の浮腫・色調の変化は見られなかった。以上の所見より,太陽性網膜炎のなかでも重篤で不可逆な症例である。
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