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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻9号

1993年09月発行

文献概要

臨床報告

硝子体出血を伴う網膜色素変性症

著者: 直井信久1 柊山剰1 高梨泰至1 澤田惇1 柊山緑2

所属機関: 1宮崎医科大学眼科学教室 2柊山眼科

ページ範囲:P.1601 - P.1605

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 網膜色素変性症(以下RP)に硝子体出血を合併した2例を経験した。症例1は47歳女性。1982年からRPの診断のもと経過観察中であった。初診時,右眼黄斑部毛細血管床びまん性拡張,微小血管瘤,網膜細動脈瘤が見られた。6年後に左眼網膜前および硝子体出血を起こした。両眼黄斑部の動静脈吻合と,左眼の乳頭上新生血管がみられた。硝子体出血は数回の出血を繰り返しつつ次第に吸収された。10年後には動静脈吻合は両眼とも自然消退した。症例2は48歳男性。RPと診断されていたが,1988〜93年に,右眼は4回の硝子体出血をくり返した。当初検眼鏡検査,螢光眼底造影で網膜新生血管は検出できなかったが,93年には乳頭から黄斑部にかけての新生血管と最周辺部の無血管帯を見いだした。以上の2症例は全経過中Coats病様滲出病変を示さなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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