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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科47巻9号

1993年09月発行

文献概要

境界領域

Acanthamoebaの土壌内分布

著者: 鶴原喬1 富山康1 石橋康久2 本村幸子3 堀上英紀4 石井圭一4

所属機関: 1東京学芸大学教育学部生物学教室 2東京女子医科大学第二病院眼科 3筑波大学臨床医学系眼科 4法政大学第一教養部生物学研究室

ページ範囲:P.1665 - P.1669

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 アメーバ角膜炎の病原体であるAcanth—amoebaの分布状態を知るために,札幌・東京・那覇の各市街地349か所の表層土壌から本属アメーバを分離培養した。各地とも検出率は予想以上に高く(各々70.5,73.9,57.6%),地面の日照,乾湿,土壌pHなどはほとんど検出率に関連なかった。また患者から多出するpolyphagidsが全アカントアメーバの70%以上を占めることがわかった。これらの事実は本属アメーバ独特の耐乾性シストが風や雨水によって絶えず地表を移動していることを示唆している。したがってアメーバ性脳炎とは異なり,角膜炎の感染ルートとしては水道水や淡水以上に土壌によるCL保存容器の汚染を重視すべきと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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