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臨床報告
上顎洞悪性腫瘍での上顎眼窩の全摘と再建
著者: 川本潔1 宮永嘉隆1
所属機関: 1東京女子医科大学第二病院眼科
ページ範囲:P.95 - P.99
文献購入ページに移動 20歳男性の上顎洞横紋筋肉腫のため,上顎眼窩全摘術後の再建に際し,遊離広背筋皮弁,腸骨移植,有茎側頭筋膜弁による上顎眼窩再建,義眼床形成術を行った。胎児型横紋筋肉腫は稀な腫瘍であるが,若年者に好発し,広範囲切除を必要とするため著しい機能的,整容的障害を残す。このためquality of lifeの観点から早期の再建術が望まれる。眼窩を含む上顎の広範囲な組織欠損の再建において,再建後の外貌の改善と安定した義眼床の形成には,支持組織としての骨組織再建と,十分な量の軟部組織移植が重要であり,筆者らの行った遊離広背筋皮弁,腸骨移植,有茎側頭筋膜弁による上顎眼窩再建,義眼床形成術は有用で良好な結果を得ることができた。
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