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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻10号

1994年10月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・96

春季カタル

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1670 - P.1671

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 春季カタルvernal keratoconjunctivitis,spring catarrhはアトピー性疾患をもつ思春期の男女にみられる反復性の両眼性の結膜炎をいう。粘稠な眼脂を伴い,主として春に悪化する。アトピーのない子供にも起こりうる。花粉,家庭内の塵,ダニおよびその糞などが刺激源となり,IgEまたはIgGを介した過敏反応であると考えられている。
 臨床的には,炎症が眼瞼結膜から始まる眼瞼型palpebral typeと輪部結膜から始まる眼球型lim—bal typeとが区別されている。眼瞼型では,瞼結膜に直径1mm以上の大きさの巨大乳頭が敷石状に存在し,乳白色の偽膜を伴う(図1)。眼球型では,上方の輪部結膜に点状または結節状,あるいはそれらが癒合してびまん性に広がる乳白色の隆起性病変がみられる。輪部結膜の点状隆起性病変をHorner-Trantas dotsと呼ぶ。しばしば,角膜中央部の上皮剥離や盾型潰瘍shield ulcersなどの角膜合併症を伴う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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