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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床報告

ループス腎炎に合併した多発性後極部網膜色素上皮症の1例

著者: 田宮良司1 高橋寛二1 松原孝1 福島伊知郎1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1757 - P.1763

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 ループス腎炎の経過中に,両眼に多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE)を生じた1例を経験した。患者は54歳の女性で,中心性漿液性網脈絡膜症様所見で発症し,3年にわたって網膜色素上皮障害が再発した。腎機能障害,高血圧の悪化の時期に両眼の眼底後極部にドーナツ様滲出斑を伴う扁平な網膜剥離がみられ,螢光眼底所見で多発性の漏出点がみられた。これらの所見からMPPEと診断し,両眼の漏出点に対してレーザー光凝固を行った。発症機序として,ループス腎炎による腎障害が網膜色素上皮障害の大きな原因と考えられたが,その他にも多くの因子が作用してMPPEが発症したものと考えられ,続発性のMPPEといえる症例であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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